くらしが危ない
18.海の幸を海外にたよる日本 (水産業の衰退 )
水産業の現状

日本という国は不思議な国です。
日本列島は東に太平洋、 西に日本海、にかこまれ豊かな水産資源にめぐまれています。 ところが、 魚介類の半分を輸入している現実に気づいている人は少ないと思います。
豊富な漁場を沿岸にもちながら、 漁業の担い手は30年間で半分の24万人にまで落ちこみました(1973年は51万人「農林水産省」)。
年齢構成をみても、 40歳以上の就業者が全体の85%を占め、 いかに若い人が漁業から離れてしまっているかがうかがえます。 漁業就業者数をみても1993 年の325万人から 2003 年には238万人へと10 年間でなんと87万人が漁業に見切りをつけているのです ( 2004年版 水産白書)。

こんな水産業に誰がしたのでしょうか

日本の漁業の働き手が、 こんなにも減少したのは2つの理由が考えられます。
1つは、 資金力のある水産業者が、 小さな沿岸漁業者を追い出したことにあります。
2つには、 大手水産業者が世界各地から安い魚介類を買いあさり、 国内で販売をはじめたため、 ほそぼそと成りたっている沿岸漁業者が転職をよぎなくされたところにあります。
例えば、 海産物の王者といわれるエビの輸入量は、東南アジアで日本のために養殖され、 年間26万トン (国内産 2 . 7 万トンの約9倍 …… 2002年) にも達し、 養殖公害を まきちらしています。 こうして、 日本は世界一のエビ消費国になり、 1人あたり年間 3 kg のエビを食べさせられているのです (「エビと日本人」 岩波新書)。
いまこそ、 日本の近海での沿岸漁業の再生をはかり、 海産物の自給率を高めることを国民的課題として設定しとりくむときです。