くらしが危ない
1.労働とくらしを壊す小泉政治(聖域なき構造改革)
労働とくらしを壊した4年間

早いもので、 小泉政権が発足 (2001. 4) してからまる4年が過ぎました。
この間の労働とくらしは、 よくなったのか、 それとも悪くなったのか、 総務省や財務省の統計がそれを如実に物語っています。
1つは、 何といっても、 パート、 フリーター、 派遣、日雇い労働者などの不安定労働者が、 2004年には1,564万人 (2001年にくらべて204万人増) にも達していることです (総務省 「労働力調査」 2004年版)。
2つは、5年前の国の借金が538兆円 (国債、 政府保証債金など) でしたが、 2005年3月末には806兆円 (国民 1人当たり635万円、 夫婦子2人の家族で2,540万円) にもなり、 なんと 268兆円もふえたことになります。 ちなみに、 地方自治体の借金203兆円 (2005.3) を合わせると1,009兆円という恐るべき額になります (財務省調べ)。
3つは、 中小企業の倒産が、4年前の年間15,000件台から一挙に19,000件台にはねあがりました。 日本全体の倒産負債額は、2001年から4年間で80兆円にも達しています (負債額1,000万円以上、 帝国データバンク 2003.12)。

「国の借金」に相当する国債、借入金、政府短期証券残高の推移

(単位 : 兆円)

 
金 額
平成13年
538
平成14年
607
平成15年
669
平成16年
703
平成17年
782

(各年3月末現在高)

「労働とくらしの破壊」 は、どこに原因があるのですか

政治家は、 不安定労働者、 失業者を合わせた数が 1, 900万人にも達し、 その人たちがかろうじて生計をたてている現実にもっと目を向けるべきです。
かつて日経連は、 日本が国際競争に生き残る(戦略)ためには、 いかに労働コストを下げるかが鍵になるという分析をおこない、政府に 「規制緩和」 と 「小さな政府」 という政治手法の採用を提言しました。
小泉首相は、 この戦略を忠実に政権の場にとり入れ、それを実現するために財界から送りこまれた「使者」です。いいかえると、改革ではなく「構造の大転換」を財界から課せられて首相に就任したのです。今日の労働やくらしの破壊は、 すべて財界の戦略からおこった事象であることを見逃してはなりません。

「規制緩和」 「小さな政府」とはどんなことですか

「規制緩和」 とは、 市場での自由競争の妨げになっている法的な規制をとりのぞくこと、いいかえると労働コストをひきさげるうえで障害となる法制度を撤廃するということです。 例えば、労働コストをさげるために、働く人を無権利でこまぎれ的に雇える労働法制 (パート、 派遣、 裁量など) などです。
「小さな政府」 とは、 国民のくらしにとって欠かせない社会的な生活手段 (医療 ・ 福祉 ・ 教育 ・ 年金 ・ 交通など)、つまり社会的な生活コストをけずりとるということです。
問題は、 これらふたつの政治手法が、 企業側の論理を最優先して実行に移されていることです。

小泉政治のバックボーンになっているのは何ですか

まじめに改革をいうのなら、 どのような社会のあり方をめざす改革なのかを示してはじめて、 説得力があるというものです。 わかりやすくいいますと、 くらし優先か、 それとも利益優先か、 このどちらの社会をめざすのかということです。
利益優先の社会をめざす考え方は、 「新自由主義」 にその源を求めることができます。 だから、 小泉首相がくりかえし述べる 「構造改革」 は、 この新自由主義というイデオロギーに深く根ざしているのです。 問題は、 「新」 という一字にこめられた状況認識です。
今日の状況は、 国際化された大競争に生き残るという一点に集約されています。 ここに 「新」 という意味があり、 まさに「むき出しの資本主義」 といわれるゆえんがあります。
新自由主義は、 政治的には 「新保守主義」 が主張する 「強い国家」、「軍事大国化」 という国家主義とむすびつきます。 小泉首相は、 「新自由主義」と「新保守主義」というふたつのイデオロギーを一体化し、 一周遅れでなりふりかまわず 「亡国への道」 をたどっているといえます。