読んだ本の中に「差別と日本人」がある。元衆議院議員野中広務氏と人材コンサルタントの辛淑最近玉氏が対談したものだが、二人の発言と体験には心を打たれる。
野中広務氏は同書で「徴兵される前から勤務していた大阪鉄道管理局で、地元の園部町から鉄道管理局に就職を斡旋し手取り足取り仕事を教え、私がいけなかった夜間大学にも仕事を調整して行かせてやりおまけに学校から帰ってきたら味噌汁も作ってやった後輩に陰で『野中さんは大阪におったら飛ぶ鳥落とす勢いだけど、地元に帰ったら部落の人だ』と陰口をたたかれた。そんな人間に裏切られるとは…。私は茫然自失の状態となり、4日間ほどのたうち回った。」と語っている。
又、在日コリアンである辛淑玉氏は「差別は、言わば暗黙の快楽なのだ。例えば、短絡した若者が野宿者を生きる価値のない厄介者とみなし、力を合わせて残忍なやり方で襲撃するとき、そこにはある種の享楽が働いているのだ。それは相手を劣ったものとして扱うことで自分を保つための装置でもあるから、不平等な社会では差別は横行する。そして、あたかも問題があるのは差別される側であるかのように人々の意識に根付き、蓄積されていく。」と差別の本質を掘り下げている。
同書には、石原慎太郎東京都知事や麻生太郎元首相の暴言、自殺した国会議員の例なども紹介されており、差別の実態が見事なまでにえぐり出されている。そして、二人とも自分は差別に立ち向かっていけるけども家族が差別の対象にされるのは本当に辛いと語っている。
己を振り返り、「お前は果たしてどうなのか。差別する側に経っているのではないか」と自問自答するのである。本書では、部落差別、民族差別が語られているが、私たちの社会にはその他にも男女差別や学歴差別など様々な差別が存在する。 これらの差別を社会からなくしていくために、私は奮闘しなくてはならないと思う。今日から県議会が始まったが、ひな壇に並ぶ知事、副知事、部長はすべて大学卒でありは高卒者はいない。女性もいないのが現実である。是非、多くの人に勧めたい良書である。発行所角川書店、定価724円
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