とりがい謙二の日記

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63年目の敗戦の日を迎えて誓う不戦の決意 落日燃ゆを読んで

 城山三郎の「落日燃ゆ」は、太平洋戦争が終わった63年前に開かれた東京裁判で、絞首刑を宣告された7人のA級戦犯のうち、ただ1人の文官であった広田弘毅を描いた作品である。

 石屋の長男として苦学しながら一高・東大を卒業し外交官となり、総理大臣や外務大臣を務め一貫して戦争防止・平和外交を進め、軍部の膨張政策にあらがい続けた。

 東京裁判ではその対立した軍人たちとともに処刑されるという皮肉な運命に直面させられたが、それを従容として受け入れ一切の弁解をしなかった広田の生涯を、激動の昭和史と重ねながら描いている。

 今、日本の平和を維持するためと称して在日米軍再編が行われているが、日本の平和、アジアの平和、世界の平和を脅かし地獄への道を辿るものではないか。日本はアメリカの属国ではないことを日本人自身が知るべきである。

 「風車、風の吹くまで昼寝かな」の句は、A級戦犯広田弘毅(丈太郎)が49歳でオランダ公使として左遷され赴任する際に読んだものだが、大変印象深かった。

 過日のテレビで郵政選挙で離党しその後復党した女性大臣が「総理の考えといつも同じというのもおかしなもので自分の判断で参拝した」と靖国神社参拝を擁護していた。彼女は、先の大戦で靖国神社が戦争賛美の役割を果たしたことを忘れたのであろうか。その歴史を知ってか知らずか、靖国神社が長州藩の戦争賛美の神社であることだけは間違いないし、本書の中で大日本国憲法が日本を滅ぼした長州の憲法として描かれているのも面白い。

 広田の無欲恬淡は生得のものであったというが、北京で客死した山座円次郎の影響を受け「自ら計らわぬ」生き方に徹するようになったという。これまで城山三郎の作品をいくつか読んだが、日本人が忘れてきたことが描かれているように感じるには私だけであろうか。

2008-8-17-1
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