2004年11月議会一般質問
(質問者:鳥飼謙二、質問日:2004年12月9日)
質問項目
  1. 知事の政治姿勢と念書問題について
  2. 三位一体計画と市町村合併について
  3. 児童問題について
    ・児童相談所の機能強化について
    ・えびの市立保育所の民営化について
  4. 県立病院問題について
  5. 環境問題について
3.児童問題について
1)児童相談所の機能強化について
とりがい 次に、児童問題についてであります。
  まず、児童虐待防止と児童相談所の機能強化についてであります。
  児童相談所の機能強化ついては我が党の満行議員からもありましたように、先月社民党県議団として青森県子ども未来課、同中央児童相談所、都城児童相談所を調査してまいりました。
  親が我が子を痛めつける、暴力を振るう、食事を与えない 、ひどい場合は死に至らしめるという児童虐待事件が頻発しています。今年1月には大阪府岸和田市で中学3年生が餓死寸前まで虐待され親が逮捕されるなど新聞テレビで児童虐待事件が報道されない日はないぐらいに大きな社会問題となっています。本県においても、今年8月に都城市で実母が2歳の長男を浴槽に沈め殺害した事件や躾に困った祖母が孫に危害を加えた事件など枚挙にいとまがないほどであります。
  しかし、マスコミに出るのは氷山の一角であり、児童相談所等の相談機関には「夜になると子どもの泣き声が聞こえてくるが虐待ではないか、」「小さい子どもが夜遅くまで公園で遊んでいる」といった通報が毎日のようにあり、その都度何事にも優先して虐待の有無の確認を行っているという実態のようであります。昨年度の全国の虐待相談件数は26573件、本県では234件となっています。しかし、これをはるかに上回る件数の調査がなされ、又、問題の性質上調査はスムーズに進まず相当な困難性が伴っているのが実態であります。本県では地区担当する児童福祉司は10名で入庁後5年以下の職員と新規採用職員で半数を占めており、配置換えされるとすぐに子育ての専門家として相談業務についている現状であり、必死で頑張ってもおいつかないというのが本県の現状ではないでしょうか。激増する児童問題に対して、児童福祉司等の要員の充実はもちろんですが、県民の協力も欠かせないと思うのであります。

 実態調査をしました青森県の実情を少しご報告したいと思います。
  青森県では、昭和61年に中央児童相談所へ少年が一時保護した少女を連れ出そうと侵入し当直員を殺害する事件が発生しております。そして、平成11年12年と乳幼児の虐待死亡事件が発生して以降、事の重大性を認識した県当局は緊急に同年9月に児童福祉司3名を増員、以来13年に児童福祉司が57名に、心理判定員22名が配置されると共に、3児童相談所1支所体制から6児童相談所体制へと実施体制の強化を進めたのであります。その結果、児童福祉司の複数での相談と訪問、本県でも入所時の半数が虐待経験があると報道された養護施設との年3回の情報交換会が実施されるなど相談所の機能が格段に強化されたのであります。
  又、注目すべきは青森県子育てメイト制度です。
  様々な不安や悩みを持つ家族の身近な相談相手として、子育て経験のある概ね60歳以下の女性2600人が子育てメイトとしてが配置され、家庭訪問、地域子育て支援センターや集会所を利用した親子との交流、乳幼児検診における母親との交流など活動の輪が広がっており、県が負担する謝礼は年8000円とのことでした。その他、県レベル、市町村レベルで子ども虐待防止連絡協議会の開催や子ども虐待防止普及啓発映画の上映、虐待防止講演会の開催等が行われていましたが、私が素晴らしいと感じたのは、ハード面ソフト面の充実と併せ子育てメイトに見られるように児童虐待防止が県民の協力を得た県民運動として進められているところでありました。

 そこで、お尋ねします。
・今回児童虐待防止対策の充実強化を図るとして、虐待の定義の見直しや市町村の責務の明確化など児童福祉法等の改正が行われましたが、今後市町村への支援を含めて児童相談所としての体制整備と機能強化をどう図っていくのか、知事にお尋ねします。

知事 今回の児童福祉法等の改正により、増加している児童虐待に的確に対応するため、児童相談所と市町村の役割分担が明確にされ、児童相談所には、新たに相談窓口となる市町村への支援や一層の専門性の向上等が求められることとなったところであります。今後は、法の趣旨を踏まえ、必要な体制整備や職員の資質向上等による機能強化に努めてまいりたいと考えております。
とりがい 児童福祉司の増員を図るべきではないか。
福祉保健部長 現在、国におきましては、児童福祉法改正の際の附帯決議を受けて、児童福祉司の配置基準について政令の見直しが検討されているようでありますので、このような国の動向や本県の実情等も踏まえ、人的体制など相談機能の充実について、関係部局と協議を行ってまいりたいと考えております。
とりがい 新たに通告制度が導入されたが、保育所で実情をお聞きすると食事をしてこない児童や登園したら直ぐに眠ってしまう子どもなどが少なからず存在するとのことで保育園では対応に苦慮しているようですが現状をどのように把握しているのか。
福祉保健部長 保育所では、不規則な登園時間や理由のない欠席、また食事上の問題等が認められる児童がいる場合は、まず保護者への指導を行い、それでも解決が困難なときは、児童相談所等の関係機関と連携を図っております。児童相談所におきましては、このような相談を受けた場合には迅速な対応を行うこととしており、また、保育関係の研修会等にも積極的に参加して、情報交換に努めているところであります。
とりがい

市町村、児相等関係機関の連携の状況、施設入所児童や出身世帯のアフターケアーの現状はどのようになっているか。

福祉保健部長 増加する児童虐待に的確に対応するため、県におきましては、平成9年度から県下8地区に児童虐待防止対策連絡会議を設置し、関係機関との連携強化を図っているところであります。また現在、14市町村におきましては、ネットワーク会議が設置をされ、きめ細かな対応が図られているところでもあります。
  次に、施設入所児童の家庭復帰でありますが、児童福祉司が施設や家庭の訪問調査を行い、随時、調整を行っているところであります。なお今年度から、早期の家庭復帰を支援する家庭支援専門相談員を、すべての児童養護施設及び乳児院に配置したところであります。
とりがい 青森県では子育てメイト2600人を養成し、虐待問題などに県民の協力を得ているが、本県でも取り組むべきではないか。以上、福祉保健部長にお尋ねします。
福祉保健部長 本県におきましては、今年度222名の主任児童委員を地域協力員として登録し、住民への児童虐待に関する広報、啓発、相談援助活動など、児童虐待防止に向けた取り組みを行っております。また、各市町村におきましては、現在457名の母子保健推進員を配置し、子育て支援のための活動を行っているところであります。御質問の件につきましては、児童福祉法の改正により、今後、市町村に設置できることとなった要保護児童対策地域協議会の状況等も踏まえ、調査研究してまいりたいと考えます。
とりがい 次に、障害児の療育体制の整備についてでありますが、午前中の質問にありましたので割愛しますが、発達障害者支援法も新たに制定され、宮崎市長からも宮崎市総合発達支援センター運営に関連して県北・県西、県南での療育体制の整備に努力して欲しい旨の強い要望をあることを付言しておきたいと思います。
2)えびの市立保育所の民営化について
とりがい

次に、えびの市立保育所の民営化問題についてであります。
  えびの市は、国の三位一体改革による公立保育所負担金の一般財源化により保育所運営が困難になったとして来年4月より定員合計280人の公立保育所4カ所と定員20人の僻地保育所1カ所を一挙に廃止し、受け皿として4保育所を民間保育所に委託するとしています。新聞報道によると、11月22日から25日にかけて住民説明会が行われたものの、保護者からは説明会が廃止までに残り4ヶ月となった時点で行われたことや5保育所が一挙に民営化若しくは廃止されること等への不満が噴き出したとのことであります。又、納得のいくまで継続して説明をして欲しいとの保護者の要望に対しても、えびの市当局は説明会は今回限りで今後行う考えはないし、新聞報道によると12月定例市議会に見切り発車の形で保育所廃止条例を提案したようであります。
  えびの市が期限とする平成16年3月まで4ヶ月を切っており、受け入れ法人では新たに保育士を40名近く採用しなくてはならず対応に苦慮しているとも聞いています。いづれにしても、主役である児童の福祉に悪影響があってならない思うのですが、えびの市から一般財源化による財政的な影響を含めてどのような報告を受けているのか、又児童の保育に支障が出る怖れがある場合は、県はえびの市に対して保護者との十分な話し合いを行うなどの助言を行うべきではないかと思いますので福祉保健部長にお尋ねします。

福祉保健部長 えびの市からは、市の財政状況等を踏まえ、17年度から公立保育所の民営化を図るとの報告を受けております。県といたしましては、民営化に当たっては、児童福祉の向上につながること、また、保護者や住民の理解を得るための説明並びに法人への支援等について十分配慮するよう、助言を行っているところであります。
とりがい えびの市当局は保育所運営費の国庫・県費負担金の廃止を理由としていますが、総務省によると公立保育所運営費補助金廃止に代わり平成16年度は市町村の保育児童数に応じた地方交付税措置を行っており運営費分として市町村に交付される財源は前年度として変わらない仕組みと説明しています。そこで、平成16年度に一般財源化された公立保育所運営費負担金に関して、えびの市の平成15年度の国費・県費負担金はいくらであったのか、又えびの市の平成16年度の普通交付税の基準財政需要額算定額はいくらになっているのか、地域生活部長にお尋ねします。
福祉保健部長 :公立保育所運営費負担金についてであります。公立保育所運営費につきましては、平成15年度まで、国が2分の1、県及び市町村がそれぞれ4分の1を負担しておりまして、えびの市の場合、平成15年度の国庫負担基本額は約1億2,400万円となっており、そのうち国費・県費負担金は約9,300万円となっております。平成16年度の一般財源化によりまして、これまでの国費・県費負担金に見合う額が、市町村の平成16年度普通交付税の基準財政需要額に新たに算入されておりまして、えびの市の場合、公立保育所運営費に係る算定額は約1億2,300万円となっております。以上であります。
とりがい 今回政府与党による三位一体改革案が示されたが、社会福祉法人立保育所負担金約2665億円の取扱はどう措置されたのかお尋ねします。
福祉保健部長 民間保育所運営費についてであります。去る11月26日に政府・与党から示された「三位一体の改革の全体像」の中では、民間保育所運営費につきましては対象外とされたところであります。