2004年11月議会一般質問
(質問者:鳥飼謙二、質問日:2004年12月9日)
質問項目
  1. 知事の政治姿勢と念書問題について
  2. 三位一体計画と市町村合併について
  3. 児童問題について
    ・児童相談所の機能強化について
    ・えびの市立保育所の民営化について
  4. 県立病院問題について
  5. 環境問題について
1.知事の政治姿勢と念書問題について
とりがい 知事の政治姿勢と念書問題等通告に従い一般質問を行います。
  私は今、日本の現状に大きな不安と懸念を抱いております。8年前犯罪の増加の一方で景気回復と雇用環境の改善が相反するという「雇用なき繁栄」と称されたアメリカ社会と同様に日本が「ダウンサイジング・オブ・ジャパン」として衰退の道を辿り始めたのではないかと。労働経済白書は、いわゆるニートと言われる34歳までの若年無業者が52万人、フリーターが217万人いるなど深刻な現状を明らかにしました。
  失われた10年を取り戻そうと市場経済を進めれば進めるほど、非正規労働者やフリーターは増えていく社会へと変貌し、そして為政者は「もっと構造改革を」、「もっと規制緩和を、効率化を」と口を揃えあらゆる手段を行使する。そして「抵抗する官僚」「既得権にしがみつく抵抗勢力」としてのイメージが創られています。バケツの中で核反応が起きるなどの大事故の連続、巨額の不良債権、相次ぐ企業倒産、容赦ないリストラや雇用の非正規化、絶えることのない過労死や3万人を越える自殺者、そして医療費の負担増など際限なく膨張する国民負担はごく普通の人に痛みとして収斂され、展望なき未来の中で厳しい競争社会が出現しているのが日本の現状ではないでしょうか。先月の読売新聞の世論調査では「中の下以下」が11ポイント増となり55%の人が貧富の差が拡大したと答えています。
  一方、国権の最高機関である国会では、自衛隊の最高指揮官である首相が「イラクのどこが非戦闘地域か私に分かるわけがない」と開き直り、イラクに非常事態宣言が出され米軍主体のファルージャ総攻撃が始まり明らかに非戦闘地域とは認められなくなったにも関わらず、「自衛隊が活動しているからそこは非戦闘地域だ」との答弁がまかり通っているのであります。国の基本法である憲法をねじ曲げ、戦争放棄を定めた9条を無視をしてイラク特措法を成立させ、専守防衛の自衛隊のイラク派兵、更には詭弁を弄しての米国追随外交を続けていく。もはや日本は法治国家ではなくなったのではないかとさえ感じるのであります。
  このような社会情勢の中で、想像できない事件が相次いでいます。奈良市での犯人と思われる人物からの娘は貰ったと写真付きのメールが送りつけられるという誘拐殺人事件、茨城県での19歳無職少年の鉄アレイによる両親殺害事件、28歳の長男が両親と子どもを連れて里帰り中の姉の3人を金づちで殴り包丁で刺し殺すという悲惨で残忍な事件、ネットしで知り合っただけの集団自殺事件などが続いています。
  普通の人が求めるのは際限のない競争社会ではなく、人々の多様な価値観と個人の尊厳を保障し、社会のあらゆる分野で民主主義を拡充し徹底する社会であり、「平和・自由・平等・共生」の社会、即ち努力が報われる相互理解に基づく連帯や支え合いが尊重される社会であります。今ほど政治や社会への信頼回復が求められているときはなく、それは地方からしか築けないのではないかと思うのでありますが、このような日本の現状を知事はどのように受けとめておられるのかお尋ねします。
知事 まず、現在の日本社会をどのように受けとめているかとのお尋ねでございます。御質問にありましたように、親や子をあやめる残虐な犯罪とか、いじめやストーカーなど他人の痛みを感じない事案、また、モラルの低下やニートなど自立できない若者の出現など、我が国の将来を憂う事象が多く、放置できない問題となっております。これらの背景には、右肩上がりの経済成長が過去のものとなり、大きな時代の転換期にある中で、経済的な不安定、地域社会の崩壊、規範意識の低下など、いろいろな要因が複雑に絡み合っているものと思われます。
  社会全体が漠然とした不安感に覆われているような時代だと存じますが、このような時代にあるからこそ、人々が安全で安心して暮らせる地域社会を築くために全力を尽くすことが、私たちの責務であると考えております。そして、私はそのためのキーワードとなるのは「人と人との結びつき」や「命や自然を大切にする心」ではないかと考えているところであります。現在策定中の宮崎県総合長期計画でも、「人と自然にやさしい『元気のいいみやざき』」を基本目標としているところであります。今後とも、すべての県民の皆様が、生まれてよかった、住んでよかったと思える宮崎県の実現のため、全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
とりがい 以前ある警察署長は、「このような悲惨な事件は宮崎でもいつ起きても不思議ではない」と話しておられましたが、警察本部長は全国で続く一連の悲惨な事件をどのように受けとめておられるのか、本県での対応と併せお尋ねします。
警察本部長 最近、全国各地において殺人や強盗などの残虐、悲惨な凶悪事件が発生し、社会不安を引き起こしております。当県でも凶悪犯の認知件数は、10年前と昨年を比較しますと約3.3倍と激増しており、まことに憂慮すべき状況にあります。先ほど議員が御指摘の事件につきましては、いまだ検挙されなかったり、直接捜査に携わっていないためコメントは差し控えますが、最近の治安悪化の原因を考えてみますと、1つは、核家族化の進展や地域コミュニティーの希薄化により、古きよき日本の文化や道徳律が継承されなくなったこと、2つは、バブル経済崩壊後、経済のグローバル化に適合できず、戦後最悪とも言うべき不況が今も続いており、多くの失業者が認められること、3つは、拝金主義の不法滞在外国人による犯罪の凶悪化や、お金になることなら何でもやるといった暴力団の資金源犯罪が悪質化していることなどが挙げられると思います。
  このような傾向は、少なからず当県にも見られますことから、御指摘の、この種犯罪がいつでも当県でも起こり得るという署長の意見には、私も同感であります。警察といたしましては、背景にある事前兆候を早期に把握し、地域住民や関係機関・団体と連携を強化しながら未然防止を図っていくとともに、何といってもこの種事案は検挙にまさる防犯なしということで、発生した場合、早期に検挙していきたいと思っております。以上であります。
とりがい 次に、平成17年度の事業展開についてであります。平成17年度予算編成方針においては「官から民へという基本的な考え方」が示される一方で、重点施策の推進方針では「県民との協働や民間との役割分担による施策の推進」が謳われています。今日、当然のことのように「官から民へ」が強調されるなかで、限りない競争至上主義社会が出現し様々な弊害が出ていることは先述したとおりであります。官と民だけではなくその間に公(パブリック)があってこそ初めて、競争至上主義ではないもう一つの日本をつくっていくことが可能となるのではないでしょうか。とりわけ最近の厳しい財政事情の中では、NPO等の非営利法人を始め県民の県政への信頼と協力なくしては円滑な行政が推進できないのが現実であります。知事の掲げる県民主役の県政とは、積極的な県民の協力と非営利団体などの積極的な出番をバックアップしていくことではないかと思いますので、17年度の予算編成と重点施策の推進当たっての基本的考え方を知事にお尋ねします。
知事 本県の財政は大変厳しい状況にあります。そのような中、少子・高齢対策や景気・雇用対策など、さまざまな行政ニーズに的確に対応していく必要があります。このため、平成17年度当初予算の編成に当たりましては、昨年策定いたしました財政改革推進計画に基づき、義務的経費の圧縮や投資的経費の縮減・重点化を図るなど、財政改革を着実に推進することといたしております。また、今回初めて取りまとめました「平成17年度重点施策の推進方針(案)」を踏まえ、最小の経費で最大の効果を上げることを基本に、これまでの枠組みや前例にとらわれることなく、すべての事業をゼロベースから見直し、選択と集中の観点から施策の重点化を図るとともに、県民との協働や民間との役割分担による効果的な施策を積極的に推進することなどにより、「人と自然にやさしい『元気のいいみやざき』」の実現を目指してまいりたいと考えております。
とりがい 最後に、いわゆる知事の念書問題についてであります。宮崎地検は、11月25日安藤知事が後援会元幹部に「当選後の処遇を約束する念書」を書いたとして、元幹部から買収及び利害誘導罪を規定した公選法違反容疑で告発されていた問題で、安藤知事を嫌疑不十分で、知事が元幹部とその妻を選挙の自由妨害強要容疑で逆告訴した事件についても嫌疑不十分で不起訴処分とされたところであります。11月26日の全員協議会で知事から説明がありましたが、恐怖の内容も明らかにされず到底納得の行くものではありませんでした。法的な面での決着が付いた今、真実を明らかにすることが県民の理解を得るとことになるのではないか思いますので、再度一連の経過についてのご説明をお願いします。

 このことは、知事が掲げた情報公開による情報を共有し県民主役の県政を実現していく上で極めて重要と思われますのでお納得のいく説明を求めます。
  又、政治的・道義的責任についてどのように受けとめられているのか、知事の施策の推進者である職員に対してはどのような説明をしてこられたのか、以上お尋ねします。

知事 告発問題に係る経過についてであります。平成15年の5月27日の夜、都城にいた私に、延岡の後援会から内部の調整に来てくれとの要請がありました。深夜、延岡まで参りました。指定された事務所には、夫妻を初め数人の後援会関係者がおりましたが、皆押し黙っており、まさしく敵対者の中に入り込んだような異様な雰囲気でありました。席に着きますと、告発した女性が、「夫を後援会に要らないと言った。応援のために会社もやめたのに、どう責任をとるのか」という趣旨のことを言いました。事実無根の話であり否定いたしましたが、その後は女性との間で言った言わないの長時間にわたる言い争いの場となりました。その場は、深夜に出向かなければならなかった理由、つまり、後援会の内部の調整ではなく、私が男性を後援会からやめさせると言ったとの言質をとり、責任をとらせようとする場でありました。
  女性の口調はだんだんと激しくなりまして、体に直接的な危険を感じる言葉でどなり出しました。私は以前、この女性は怒らせたら何をするかわからない非常に危険で怖い人物だと聞いていた話を思い出しまして、体がこわばるような思いでありました。午前3時を過ぎていたころだったと思いますが、男性が「妻と2人にしないと話がつかない」と、他の全員を外に出させました。2人きりになり、女性について聞いた話を改めて思い出し緊張がさらに高まる中、女性は改めて、責任をとれ、仕事の世話しろとの要求をし、かつそれを書面にするよう要求しました。私は何度も拒否しましたが、ずっと非常な恐怖を感じていた状態でございました。そのうち女性は名詞を取り出し、それに書くよう要求しました。私は、長時間にわたる異常な緊張や恐怖の中で、仕事を約束することはできないとの考えから、とっさに「処遇」という言葉が思い浮かびメモにした次第であります。
  その後でありますが、当選後に一方的に夫妻が訪ねてきたり、電話をしてくることがありましたが、夫妻からメモに関する話が出ることもなく、仕事の要求もありませんでした。平成15年9月か10月のころですが、この男性から、福祉の勉強がしたいとか、日向地区の福祉をまとめたいというような電話がありました。私は夫妻とはかかわりたくなかったため、電話の話の意味することはわからないまま、福祉に詳しい県職員OBに話をしてみてくれという趣旨のことを答えました。その後この件について夫妻から話はなく、また、私と県職員OBとの間でも話題になることはなかったところであります。
  夫妻との最後の接触は、本年5月の男性からの電話で、私の政治活動を支援する団体的なものをつくりたいという内容でした。私が「その必要はない」と断ったところ、例のメモのことを持ち出し「約束を果たしていない」と言いました。仕事の要求でしたので、以前も言ったように「仕事の世話はできない」とはっきりと断ったところ、男性は立腹して電話を切った次第です。それ以降夫妻からの連絡はなく、告発を受けるに至ったところでございます。以上でございます。
  次に、政治的・道義的責任についてであります。今回の件に関しましては、県民の皆様や県議会の方々に大変な御心配をおかけしたことを、心から申しわけなく存じているところであります。今回このように御心配をおかけしたことをしっかりと心に刻み、県政を目指した初心である「県民主役の県政運営」を図ることはもちろんのこと、山積する行政諸課題に今後とも真正面から取り組み、元気のいい宮崎づくりに全力を傾注していくことで、知事としての責任を果たしてまいりたいと存じます。
  次に、職員への説明でございます。今回の件に関しましては、職員の皆さんにも心配いただいていたところでございます。このため、県議会の皆様への報告や記者会見が終わった後、速やかに臨時の庁議を開催しまして同様の説明をした上、出席した部長に部下職員への説明をお願いしたところであります。