2004年9月議会一般質問・答弁全文
(質問者:鳥飼謙二、質問日:2004年9月21日)
質問項目
  1. 消防・防災対策について
    ・消防力、・地震・台風対策、・住宅の耐震化、・消防学校、・消防防災へり、・地域防災計画、・国民保護法等
  2. 景気・雇用対策について
    ・雇用形態のあり方、・障害者の雇用、・雇用産業再生指針等
  3. 県立病院の機能充実について
    ・基本理念の達成状況、・あり方検討委員会の基本的考え方。・精神科救急、・延岡病院の事故原因等
  4. イオン出店の影響について
    ・県都市計画との整合性、・地価の推移、・営業時間、・交通事故等の大店法上の課題等
通告に、従い一般質問を行います。
台風16号、18号で亡くなられた方のご冥福をお祈りすると共に被害に遭われた方に心よりのお見舞いを申し上げます。又、危機管理局を始めとする関係者の皆さんがたのご尽力に感謝すると共に1日も早い復旧を期待するものであります。
なお、代表質問等重複するものは可能な限り割愛してお尋ねします。
1.消防・防災対策について
とりがい 第1に、消防・防災対策について知事以下関係部長にお尋ねします。

まず、消防力についてであります。
消防庁は、市町村が適正な規模の消防力を整備するための指針として消防職員や消防ポンプ自動車の整備基準等を「消防力の基準」として定めています。消防職員は、全国平均で消防力の基準達成率は80%以上ですが、本県は63%とかなり下回っているようであります。災害が複雑化・高度化する今日、消防力の強化は大きな課題となっています。そこで、
1.本県の消防力の現状認識
2.定員を下まわっている防団員の確保
3.非常備となっている西臼杵郡の3町を始めとする県北9町村の体制整備について総務部長にお尋ねします。

総務部長 消防体制の整備につきましては、市町村が、それぞれの地域の実情を済まえ、必要な消防カを定め、その確保に努めているところであります。県といたしましては、市町村に十分な消防カが備わるよう県単独の補助制度を設けて、支援を行っているところであります。
次に、消防団員の確保対策についてであります。消防団員は、過疎化や高齢化、地域住民のサラリーマン化、あるいは地域社会に対する帰属意識の希薄化などに伴って、年々、減少しております。県といたしましては、市町村と一体となって、消防団活動に関する広報啓発を行うとともに、事業所に対しても従業員の消防団活動について協力依頼を行っているところであります.
また、市町村においては、火災予防活動や災害時等における高齢者支援等の役割をになっていただくため、女性消防団員の確保にも取り組んでいるところであります。
次に、非常備町村の消防体制についてであります。非常備町村におきましては、地元が一体となって消防活動に取り組んでいく必要がありますので、特に、消防団員の確保や資機材の操作など実践的な訓練による団員の資質向上を図るよう指導しているところであります。いずれにしましても、消防体制の整備は県民生活の安全・安心の基本となるものでありますので、引き続き、市町村と一体となってその充実に取り組んでまいりたいと考えております。
とりがい 消防職場は、24時間連続勤務という職場環境から、日常的にもストレスを訴える職員は少なくなく、又、災害現場での悲惨な体験による精神的ショックは非常に大きいものがあります。このためメンタルヘルス対策やカウンセラーの配置、相談室の設置等の充実強化が求められていますのでお尋ねします。
総務部長 メンタルヘルス対策につきましては、6つの消防本部においてカウンセリング事業が実施されており、また、6つ消防本部において仮眠室の個室化が行われております。
とりがい 又、職場環境改善のための消防職員委員会が設置されていますが、年1回の開催でしかも協議の内容が不十分ではないかという声を聞きます。少なくとも年2回程度は開催し、充実した協議がなされるべきと思いますのお尋ねします。
総務部長 消防職員委員会につきましてば、各消防本部において、消防組織法に基づく基準に従って、毎年度開健されておりますが、県といたしましては、法の趣旨にのっとった委員会の運営がなされるよう助言、指導を行ってまいりたいと存じます。
とりがい 次に、地震・台風対策についてであります。
平成7年1月に発生したマグニチュード7・3の阪神淡路大震災は、死者6433人、住家の全壊104、906棟、半壊144274棟となり、被災世帯は合わせて460、357世帯にものぼりました。その内、住家の全焼は6148棟で直接的被害総額は兵庫県の推計で9兆9268億円という大きな災害をもたらしました。
神戸大学石橋克彦教授は、「日本列島は環太平洋の変動帯に位置していて、短く見ても約50万年前から地球上で最も活発な地震活動がずっと続いている。歴史時代から日本列島の太平洋岸ではマグニチュード8クラスの巨大地震が100年おきくらいに繰り返し発生し、現在、日本列島のほぼ全域が新たな大地震活動期に入りつつある」とある雑誌で多くの学者と同じように指摘しています。阪神大震災では地震直後の犠牲者5500人の死因は90%以上が倒壊した建物の下敷きによる圧死でありました。一般住居の耐震補強は災害を最小限に抑えるものとして欠かせないのであります。しかし、十分な耐震化工事がなされていない昭和56年の建築基準法改正以前の既存不適格建物は全国で1400万戸あり、又本県では県住宅マスタープランによると全国平均より高い53,1%224300戸となっています。
宮崎県地域防災計画は、兵庫県南部地震を上回るマグニチユード7・5の日向灘南部地震、日向灘北部地震や最大瞬間風速57・8メートルを記録した平成5年の台風13号を想定して平成10年に全面改定されました。同計画にも謳われている既存不適格建物の耐震改修化について、防災面からどのように認識しているのか知事にお尋ねします。
知事 平成7年に発生した阪神・淡路大震災においては、約25万棟の家屋が全半壊の被害を受けておりますが、その多くは、昭和56年以前に建築された現行の建築基準を満たしていない建物であったと言われております。そのようなことから、特に、既存の建築物の安全性の向上を図っていくことは、防災上、重要なことであると認識しております。
とりがい 又、一般住宅や自治体、学校、警察署等の耐震化工事の現状はどのようになっているのか、総務部長にお尋ねします。
総務部長 一般住宅の耐震化工事の実施状況については、把握いたしておりません。自治体庁舎、学校、警察署等の県内における公共施設につきましては、平成15年度末時点で、49.2%の建物が耐震基準を満たしております。
とりがい 次に、宮崎県建築住宅センターの充実についてであります。同センターは、県出資の県内唯一住宅性能保証業務や耐震工事の相談事業や等を行っていますが、耐震相談や耐震診断判定申請、耐震補強設計判定申請等の事業の実施状況についてお尋ねします。
土木部長 平成15年度末までの件数でありますが、耐粟診断相談件数が平成7年度から205件、耐果診断判定申蒲件数が平成13年度か225件、耐果補強設計判定申請件数が同じく24件となっております。建築物の耐震性の向上を図っていくことは大変重要でありますので、今後とも、耐震相談や耐果耐震判定業務等の充実に努めてまいりたいと考えております。
とりがい 次に、改修費補助による耐震化の促進についてであります。現在、全国で耐震診断へ助成している都道府県は19府県、耐震改修支援を行っているのは静岡県の最高50万円を始め10県となっています。地域防災計画にしっかり対応するためには、本県においても耐震化工事の補助により既存不適格物を減らすことが被害を少なくする最大の戦略であり、住宅のリホームと併せて行えば景気対策、雇用対策にも大きな効果があると思いますので知事にお尋ねします。
知事 大規模地震による建築物の倒壊等の被害から県民の皆様の生命及び財産を卑るため、建築物めの地震に対する安全性の向上を図ることは大変重要であると認識しております.このため、県におきましては建築物防災展等により防災意識の高揚を図るとともに、耐震診断や改修に関する無料相談などを行っているところであります。御質問にありました、景気・雇用対策としtの、耐震化工事を含む住宅のリフォーム事業につきましては真重な御意見と存じますので、今後、県・市町村・民間の役割分担を含め、関係部局との連携を図り、研究してまいりたいと考えております。
とりがい 併せて、地域防災計画の庁内での周知や職員の登庁手段等についてお尋ねします。
総務部長 県の地域防災計画は、各所属に備え付けており、又災害発生時の初動体制を確立するために、職員の参集、配置基準等を記載した 「防災ハンドブック」を作成し、全職員に配布して、周知を図っております。次に、災害対応職員の登庁の方法につきましては、参集基準に基づき、可能な方法により、速やかに登庁することとなっております。なお、危険が予想される場合には、前夜から事前に待機するなど、安全に十分配慮いたしております。
とりがい 次に、消防学校の機能強化についてであります。
県消防学校は、消防組織法第26条第1項の規定に基づき県内市町村の消防職員及び消防団員の訓練を実施していますが、近年消防需要の専門化・高度化に伴う消防職員や消防団員の資質向上が重要な課題とされ、本年4月から消防学校の教育訓練の基準が全面的に改正されたところであります。
過日同僚の満行議員と同校を訪問し、訓練の実施状況等をお聞きしてまいりました。ここ数年、基準を下回る校長・教頭・教務主幹・主任教官の4人の県職員と都城地区消防本部及び宮崎市からの派遣教官2名の計6名で教育訓練に当たっておおられます。
県消防年報によると、平成14年度は消防職員が653人、消防団員が移動消防学校を含め7864人等合計8745人が受講しているようです。教官の不足もあり宮崎大学工学部、医学部、宮崎地方気象台、警察本部などの応援を貰っているようであります。
このような状況の中で、職員の高齢化による数年内の大量退職に伴う大量採用期への対応や消防団員に占める会社員等の増加に伴う普通教育の困難さが消防学校の課題として指摘されていますが、「消防学校教育訓練の基準」に対する対応と今後の消防学校の機能強化をどのように図ろうとしておられるのか総務部長にお尋ねします。
総務部長 この基準は、消防に対する新たなニーズに対応するため、平成15年11月に改正されたものでありますが、消防学校においては、平成16年度からカリキュラムを変更し薬剤や毒ガスなど特殊災害に対応するための訓練を取り入れたり、消防団員が受講しやすい単位制の講座を導入するなど、新基準に沿った教育訓練を実施しているところであります。また、御指摘のように、昭和40年代から50年代にかけ、大量に採用された消防職員の退職に伴い、初任科研修生の受入が今後増加することも見込まれるところであります。今後の消防学校の教育訓練体制につきましては、その状況も見ながら対応を検討してまいりたいと考えております。
とりがい

次に、消防防災ヘリコプターについてであります。
いよいよ今年10月から県民の大きな期待を背負い、消防防災ヘリコプターの活動が始まります。既に、米国製のベル412EPも購入され、航空隊員8名も宮崎市消防本を始め県内6消防本部からの派遣が決定し、ヘリコプターの運行委託業務につきましても総合評価一般競争入札により西日本空輸株式会社に決定したようであります。4ヶ月程度の訓練を終え、山岳遭難や水難事故等の救助活動や林野火災の消火活動などの災害への対応を始め傷病者の救急搬送等が始まることになりますが、これまで準備にあってこられた危機管理局のを始め関係者の皆さん方のご苦労に敬意を表したいと思います。
私は、今年6月総務政策常任委員会委員として枕崎市にある鹿児島県防災航空センターで組織体制や運行の状況等を視察してまいりました。実質的には、本県は全国で最後の導入県となったわけですが、業務の性格上隊員や県民の安全性の確保はは最優先されなくてはなりません。そこで、次の点についてお尋ねします。

  1. 各消防本部の派遣要員の補充はどのようになっているのか。
総務部長 各消防本部から派遣いただく航空消防隊員の補充につきましては、全体の職員数を見直している1消防本部を除きまして、すべて確保されていると伺っております.
とりがい
  1. 隊員の身分についてでありますが、今年7月に埼玉県防災航空隊で訓練中18メートル下の地面に転落し隊員が死亡するという事故が発生しました。航空隊員が負傷、死亡したりする場合や分限及び懲戒処分等を行うことも想定され、身分については地方自治法252条17を適用すべきと思いますが如何でしょうか。また、給与等の負担はどこが行うのかお尋ねします。埼玉県の事故での原因、隊員への保障等について分かっておられればお示し下さい。
総務部長 航空消防隊員の採用につきましては、「宮崎県防災救急ヘリコプター派遣職員取扱要綱」に基づき、派遣元と「協定書」を交わすことで、対応することとしております。職員の身分につきましては、県と派遣元の両方の身分を併せ持つことことになります。隊員の給与につきましては、県が、時間外勤務手当、休日勤務手当、特殊勤務手当を負担し、それ以外の給与につきましては、消防救急業務が市町村の事務であることから、全市町村において分担していただくことになっております。なお、埼玉県における航空消防隊員の転落死亡事故の原因につきましては、現在、国の航空機事故調査委員会において調査が行われており、詳細は明らかにされておりません。補償問題につきましては、派遣元が公務災害補償の請求手続きを行っていると伺っております。
とりがい 次に、安全運行の確保に関連してですが、運行管理委託にかかる経費については入札の結果、予算の4分の1の金額1000万円で委託することになったわけですが、予算の見積もりに誤りがあったのか如何なる事情なのか。安全確保に関わりますのでお尋ねします。又、来年度以降の契約はどのようになるのか、以上総務部長にお尋ねします。
総務部長 運航委託料につきましては、一般競争入札を実施した結果、予算額の約4分の1の価格で落札されたものでございます。入札に際しましては、防災救急へりの運航は、安全確保が第一でありますので、過去5年間に重大な航空機事故を起こしていないことや、県と同型のベル412型機の運航実績を有すること、派遣される操縦士は、2000時間以上の飛行経験を有すること、ベル式412型の整備資格を持った整備士を常駐させること、などを参加要件としております。受託事業者は、これらの要件を全て満たしており、ヘリコプターの運航に関して十分な実績も持っておりますので、運航上の安全は十分に確保されるものと考えております。なお、来年度以降の契約につきましては、一般競争入札または随意契約いずれかの方式が考えられますが、今年度の運航実績を参考に、判断したいと考えております。
とりがい 次に、国民保護法制への対応についてであります。
政府は、先日日本が外国から武力攻撃を受けるなどいわゆる有事の際、国民保護法に基づいて物資の輸送や住民の避難・救援活動などでの協力を義務づける「指定公共機関」として九州電力、スカイネットアジア航空など九州沖縄の14社を含む全国160事業者を指定し、合わせて国民保護法を17日に施行しました。昨年の武力攻撃事態法等有事3法案に続き、米軍への物品・役務の提供=兵站支援を内容とする米軍行動円滑化法案等有事関連7法案は、将に米軍支援、米軍への戦争協力するための法案であります。「自衛」の範囲を大きく超え、憲法前文や第9条に定める平和主義に抵触する重大な疑念があり平和を願う県民の不安を招いています。保護措置を実施するような事態に至れば日本は破滅の階段を転げ落ちることになると懸念されるのでありますが、知事はこれら一連の動きをどのように認識しているのかお尋ねします。
知事 私は、我が国の平和と安全を確保するためには、外交努力や国際平和協力などを通じて、国際社会の平和と協調を図ることが最も重要であると考えております。しかしながら、最近の日本近海における不審船事件や米国における同時多発テロは、我が国の安全について国民に大きな不安を与えました。有事法制は、このような情勢を踏まえ、万一我が国が外部から武力攻撃等を受けた場合において、これに対処するために必要な法制や国民の保護のための法制として整備されたものと認識いたしております。いずれにいたしましても、我が国の平和と安全を確保するための努力を続けることが重要であると考えております。
とりがい 次に、有事の考え方でありますが、武力攻撃事態や武力攻撃予測事態の概念が極めて曖昧ではないかと思うのですが、どのような戦争状態が想定されているのかお尋ねします。
総務部長 武力攻撃事態等の想定につきましては、政府が策定する国民の保護に関する基本指針の中で、示すこととされておりますが、これまでの国会審議におきまして、弾道ミサイル攻撃、航空機による攻撃、地上部隊の上陸攻撃、ゲリラや特殊部隊による攻撃の四つの攻撃を想定しているとの説明がなされております。
とりがい 次に、国民保護法の県の対応についてであります。午前中の答弁にもあったように知事は、今後県民の保護に関する計画を定めることになります。しかし、考えて見て下さい。小規模紛争でも数万人もしくは数10万人単位で避難する必要が出てきたとすると果たして対応できないのではないかと懸念するところであります。そこで、国民保護計画の実効性や国民の知る権利はどのように担保されるのか以上総務部長に尋ねします。
総務部長 国民の保護措置は、国民保護計画の目的とするところでありますので、計画の作成に当たっては、その実効性が確保されるよう住民の避難や救援等について、できるだけ具体的に定める必要があるものと考えております。また、国民保護法におきましては、武力攻撃や被災の状況等について国民に対し正確な情報提供を行うよう規定されておりますので、 法の主旨に沿って、県民に対し十分な情報提供に努めなければならないと考えております。